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がんで障害年金を受け取れる状態とは
障害年金があるから大丈夫という意見もありますが、障害年金をもらえる状態というのは想像以上に大変な状態です。ここではがんで障害年金を受け取れるにはどういう状態になった場合かについて整理してみます。
1手術による機能障害によるもの
- 喉頭がん → 喉頭全摘手術
- 直腸がん → 人工肛門
喉頭がんで喉頭全摘手術した場合、発音の機能を生涯失います。障害年金2級を受けられる可能性があります。
直腸がんの手術で人工肛門を付けた場合、障害年金3級以上の可能性があります。人工肛門とはお腹から排泄するもので日常生活に支障は出ます。人工肛門は一時期的に付けるのか、永久なのかによっても等級が変わってきます。なお、障害年金3級だと、自営業の人は受給できません。
手術により障害年金を受給していても仕事を続けているケースもあります。障害年金をもらえているからといって必ずしも就業不能状態という訳ではありません。
2副作用による働けない状態によるもの
- 抗がん剤の副作用で手足にしびれが起こり歩くことすらままならない
抗がん剤や放射線の副作用が原因のようですが、日常生活に大きな支障が生じます。程度によっては就業不能状態になるケースもあります。
治療の選択が原因に
がんと診断されたら、健康保険が利く標準治療で治療を行うのが一般的です。標準治療は主に手術、抗がん剤、放射線の三大治療を指します。がんで障害年金を受給できる状態になるということは、手術による障害、抗がん剤や放射線の副作用により仕事や生活に支障が出る状態とも言えます。
標準治療は最初に検討すべき治療ですが、生活の質(QOL)を重視すると場合によっては必ずしもベストとは言えないかもしれません。
最後に
障害年金というセーフティネットがあるのは有り難いものです。一方で、障害年金を受けられる状態というのは、仕事や生活にも支障が生じるということにもなります。最初にどの治療を選択するかによっても変わりますので、様々なケースを想定して選びたいものです。
参考
- 入院・手術給付金を受けたら見る障害年金の本
野中 房代 (著)