変動金利0.875%の住宅ローンがあります。残債3150万円で借入期間は20年ほど残っていますが、借り換えメリットはありますか。
一般的な借り換えの目安は、金利差1%、残債1000万円、借入期間10年以上 と言われています。
個別に試算してみないと分かりませんが、金利差0.3%以上、残債2000万円以上、借入期間20年以上あればメリットが出る可能性があります。
本ケースでは、変動金利0.875%、残債3150万円ということで、残り20年の住宅ローンの利息は2,848,053円、月々の支払いは143,117円になります。
金利差0.3%である0.575%で試算して見ると、期間20年であれば、総利息1,853,496円、月々138,973円となります。
0.875%から0.3%下げた0.575%での利息軽減効果は
2,848,053円 → 1,853,496円 −994,557円
となり、約100万円利息が減ります。
借り換えで考えないといけないのが新たに発生する諸費用です。
本ケースだと借り換えの諸費用は約90万円位になる見込みですので、総利息が約100万円だとしても新たに発生する諸費用を引けば、利息軽減効果という意味での借り換えメリットは薄れます。
ただし、仮に借り換え前の住宅ローンが保証料型であれば、借り換えメリットは出てきます。
保証料型の場合、未経過分の保証料が戻って来ます。本ケースでは、当初保証料を約100万円強払っていたということなので、残債と返済期間から未経過分の保証料は約50万円程度と推測されます。
仮に利息軽減効果という意味で借り換えメリットがなかったとしても、毎月の住宅ローンの支払いは減ります。本ケースでは、
143,117円 → 138,973円 −4,144円
となり、固定費である月々の支払いが約4000円下がります。支払いが減れば、その分キャッシュフローが改善され、将来のための貯金や投資にお金を回せます。
また、いったん金利を下げておくことによって金利上昇リスクをより抑えられます。借り換えしてもしなくても金利上昇幅は一緒だからです。
疾病保障団信を付けると借り換えメリットはより大きくなります。
昨今、0.4%前後から0.6%前後でがん団信を付けられる住宅ローンがあります。現役中にがんに罹る人は全体のがん罹患者の3分1を占めることから、住宅ローンにがん保障が付いていれば安心です。がんと診断され、住宅ローンの支払いが半分になったり、全額無くなればかなり大きいです。
疾病保障団信といっても保障内容は様々です。例えば、無料で付けられる全疾病保障といった団体信用生命保険は支払事由がとても厳しいため、保障としては期待できません。保障内容や支払事由をよく調べて選んで下さい。