保険って必要?何を選べばいい? 実務のプロがQA形式で回答

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必要性の高い生命保険、低い生命保険とは何か

よく雑誌でいる保険、いらない保険という特集を組まれることがあります。ネットの情報も玉石混合です。保険会社、営業マン、ファイナンシャルプランナーによっても見解が異なります。自分自身で見極めるためにも、必要性が高い保険の定義付けをしてみます。

必要性が高い保険のポイント

1社会保障を補完するもの

生命保険は社会保障を補完する役割を担っています。そのため保険料控除という税制メリットも設けられております。

2レバレッジが効くこと

保険は少ないお金で大きなお金を得られるのがメリットです。100万円払って100万円受け取るなら預貯金や投資でも良かったのではないかという話しになります。

3インフレ対応できること

額面が固定する保険はインフレに弱いのがデメリットです。特に中長期で保障を持つ場合は、物価上昇には気を付けたいものです。

4他の金融商品で代替が利かないもの

2にも関連しますが、他の手段で代替可能であれば保険で対策を立てなくて良いということです。

5予定利率(利回り)が高いもの

昨今の低金利において、予定利率が低いと大きな保障を確保できませんし、解約返戻金があまり増えなかったりします。1990年代前半までの予定利率が高い商品はそのまま継続した方が良いでしょう。投資信託で運用するタイプである変額型の保険は運用次第で利回りを高めることは可能です。

6支払い事由が明確であること

死亡は支払い条件が明確なので死亡診断書が出れば揉めることはありません。がん、医療、介護、就労不能保険は支払い事由が重要です。いざという時に出ない、揉める可能性があるものは選ばないことです。

上記6つのポイントを基に必要性の高い保険、低い保険を整理してみます。

必要性が高い保険のポイント

死亡保険(生命保険)

社会保障である遺族年金を補完することができます。目的は、遺族の生活や子どもの教育費を確保するためです。
死亡保険には、定期保険、養老保険、終身保険があります。定期保険が最もレバレッジが効きます。定期保険には、逓減定期、逓増定期、収入保障保険があります。一定期間の遺族の生活費や教育費の備えに向いています。低金利時代において、固定金利型の養老保険や終身保険の必要性は低いです。

ケースバイケース

がん保険

がんはいつどのような状態で見つかるか分からないため、治療費や治療期間が読みにくいものです。早期発見で標準治療を受けられれば50万円から100万円ほどの持ち出しで対応できることが多いようです。部位やステージによってはより高額になるケースもあります。健康保険が効かない先進医療や自由診療、再発や転移、治療の長期化による収入ダウンも想定されるため、がん保険のかけ方次第で役に立つケースがあります。

三大疾病保険

がん保険の診断給付金で足りない人やがん以外も心配な人向けです。がん診断給付金より一時金を多く設定できます。

変額保険

インフレ対応できる数少ない保険商品です。支払いの増減ができないので払い続けられる保険料で加入することがポイントです。ただし、手数料を稼ぎたい保険募集人は、定期プラス投信などと比較せず、保険料を多めに、又、払い済みを前提に提案してくるので注意が必要です。海外では変額保険は、投信を扱えるファイナンシャルアドバイザーから加入するのが一般的ですが、日本はそうではありません。投資運用に詳しくない、売りっぱなしという、長期投資の経験がない保険営業マンが大半です。誰から加入アドバイス、メンテナンス、出口の相談を受けられるかが重要です。

(変額)個人年金 

一時払いではなく積み立て型(定額支払)タイプです。iDecoやDC、つみたてNISAなどをやった上で入るのは良いでしょう。保険商品の割には付加保険料が低く、投資に回る分が多い部類に入ります。ただ、税制的には個人年金保険料控除ではなく、生命保険料控除扱いになる点が注意です。

(変額)養老保険 

万が一の際の教育費を確保しつつ老後の資産形成(医療費や介護費用等)を準備する手段として向いています。継続できる位の保険料で長く続けるのがポイントです。定期保険プラス投信と比較すると良いでしょう。10年だけ払って後は払い済みさせて、保険料を多くして、販売手数料を最大化しようとする営業マンは要注意です。

(変額)終身保険 

贈与プラン、葬儀代や死後の整理式、相続対策向けです。10年払いなど保険料の払込期間が短い方が保険料やコストも抑えられるのでオススメです。

必要性の低い保険

では、必要性の低い保険を定期付けしてみます。原則、必要性高い保険と反対になります。

ドル建て終身保険/養老

為替の影響を受けますし、受け取り時に円高だったらドルで受け取る必要があるので、日本に住んでいる人はあまり必要はありません。人口減による国力低下で円安になるというポジショントークには注意しましょう。米ドルを持つ意味をよく考えたいものです。海外勤務などで米ドルを持っていて使い道に困っている世帯持ちなら選択の余地があります。米ドルで受け取っても良い人向けです。ドル安(円高)時も有りです。

ドル建て一時払い終身

銀行窓販、証券マン、保険営業マンから貯金などある人に勧められますが、一時払いで為替リスクを取るのでオススメできません。投資目的なら投信と比較しましょう。保険に入れない人の相続対策や死亡保障の確保なら消去法的に良いでしょう。

医療保険

払った割にはもらいが少ない代表的な保険商品です。預貯金があれば必要性は低いです。役に立つのは、加入後すぐに給付を受ける、入退院を繰り返す、長期入院するケースのみです。入るなら長期入院に対応できるもの、掛金の安い団体保険を利用すると良いでしょう。60歳払いの終身型といった短期払いもお勧めできません。医療技術の進歩や医療制度の変更を想定すると、今後20年、30年、40年後の保障内容を担保していると考えにくいです。

就労不能保険や所得補償保険

支払い事由が厳しい保険です。病気や怪我で働けなくなった場合の生活費の確保のためのものです。就労不能時は、傷病手当金や障害年金といった公的な保障もありますが、その不足分を補う立ち位置です。公的保険に連動するタイプなら良いですが、一般的に支払い事由は厳しめです。加入を検討するは支払事由を良く確認しましょう。事故や災害以外は、基本的に生活習慣病が悪化して、発症し、就労不能になります。就労保険に入ることよりも未然に防ぐ努力をしたいものです。

学資保険/子ども保険

低金利なので貯蓄性が低いです。200万円受け取るために190万円以上の原資が必要になります。私学を中心した学費の上昇にも全くといって対応できていません。定期保険プラス投信で代替が可能です。

個人年金保険

低金利で魅力がありません。円建ての場合は、個人年金保険料控除が使えると言ってもほとんど増えせん。米ドルや豪ドルといった外貨建て個人年金保険もありますが、iDeCoやDC、つみたてNISAなどいろいろやって、それでも個人年金保険料控除を使いたい所得が高い人向けです。外貨建ての個人優先順位は高くありません。

外貨建て個人年金保険

米ドルや豪ドルといった外貨建ての個人年金です。円建てより利率は高いですが、為替の影響も受けますし、債券投資ですので、長期で持った割には大きく増えないと思われます。iDeCoやDC、つみたてNISAなどいろいろやって、それでも個人年金保険料控除を使いたい、所得が高い人向けです。優先順位は高くありません。

固定金利型の円建て 低解約返戻金型終身保険 / 終身保険 / 養老保険

低金利で長期固定してしまうのでオススメできません。インフレにも弱く加入する意味があまりない保険です。低解約返戻金型は途中解約すると返戻率が7割以下に抑えられているので、払込期間が10年を超えるような長いタイプは避けた方が良いでしょう。

介護保険

保障内容が古くなりやすいのでオススメできません。若くして介護保険に加入するよりも将来の医療費、介護費用を準備しておくことで代替可能です。介護は75歳以降から増えます。50代、60代くらいの人が将来の介護を心配して検討するにはありかもしれません。加入を検討する際は、支払条件や陳腐化しやすいかどうかを良く確認しましょう。

おわりに

保険の特徴から必要性の高い保険、低い保険を整理してみました。保険とは合理的に付き合い、不必要な保険は卒業し、浮いた分を将来の資産形成に回すなど、将来に備えてほしいと思います。

YOICHIRO NOMURA

YOICHIRO NOMURA

ファイナンシャルプランナー(CFP®)  外資系保険会社を経て、2009年からファイナンシャルプランナーとして活動する。ファイナンシャルプランニングの経験は12年超、1,000件以上の面談経験を持つ。 生命保険、資産形成、住宅購入、相続や贈与の相談を得意とする。

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保険って必要? 何を選べばいい? 実務のプロがQA形式で回答

保険に関してはいろいろな情報が飛び交っていますが、やや教科書的な情報や、特定の目線からの極端な情報が多いように思います。
保険はその人その人のライフプランニング全体にも関わるため、こうした情報だけで判断するのはやや危険です。
Qaito(カイト)では、ファイナンシャルプランニングと保険の実務経験を踏まえた上での情報を、できる限りその人その人ごとの情報を届けていきたい思うのと、かつ、知りたいことがピンポイントで分かるように、QA形式で情報を提供したいと思います。

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